赤と黄色のツートンカラーで有名なコトデン(琴平電気鉄道)始発駅、高松瓦町駅から志度線に乗る。高松市内を抜けると、すぐ屋根型の独特の山容の屋島がぐんぐん眼前に迫ってくる。5つ目の屋島駅で下車。見上げれば、293メートルの屋島の溶岩台地は迫力満点。名物のケーブルカーに乗車。戦後間もない昭和25年製で、かなり傷み方が進んでいる。
 それでも僅か5分30秒で頂上駅に到着。幸い好天に恵まれ、眺望が素晴らしい。高松市内から瀬戸内海をぐるりとパノラマ展望できる。頂上駅から徒歩20分で、源平古戦場の展望台。なるほど古戦場は一望の下。眼下の相引川を南北に挟んだ丘と洋上だ。
 相引川は昔、入り江だったが、今は両側から埋め立てられ、新興住宅や中小工場に一変している。歴史の舞台には余計な建物を視野から取り除いて、中世期の自然の景観を想像力で復元せざるを得ない。
 平家側は入り江の両岸に布陣し、海上から源氏側を巧みに誘い込んで殲滅する手筈だった。だが、戦略戦術では、源氏側のほうが一枚上手だった。頼朝の命を受けた源氏側の総大将、義経は、むざむざ平家側の罠に嵌まる愚を避けた。5隻の船に分乗した150騎を率いて陸路を辿り、密かに敵陣の背後にまわった。

 

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